「はんのうタッチ」で育つ力(見て・きめて・うごく)
「はんのうタッチ」は、3〜6歳の未就学児が、マスからひょっこり出てくる動物をすばやくタッチするもぐらたたき風の反応あそびです。「出てきたらタッチする」というシンプルな反応から、「決めた子だけタッチして、ほかはさわらない」というやってよいこと・がまんすることを選び分けるあそび、「大きい子だけをタッチする」大小の見分け、「長く押してつかまえる」指先の力、「動く子を目で追ってタッチする」追視まで、5つのあそびを用意しました。目で見て気づく力(注意)・手を素早く動かす力(目と手の協応)・やりたい気持ちをちょっと抑える力(抑制)・目で追いかける力(追視)に、いろいろな角度から触れられます。テンポは幼児向けにゆっくりで、点滅や急かすような演出は使っていません。時間で追い立てるのではなく10回タッチできたらクリアという回数制なので、焦らず自分のペースで最後まで遊びきれます。むずかしさはやさしい・ふつう・むずかしい・たくさんの4段階で、マスの数と出てくるテンポが少しずつ変わります。
5つのあそび(見て・きめて・うごく を いろいろな形で)
マスから出てきた動物を、消える前にすばやくタッチ。まずは「見つけてさわる」楽しさから。反応あそびの基本です。
決めた子だけをタッチし、ほかの子にはさわりません。「今はさわらない」をえらぶ抑制(がまんする力)のあそびです。
大きい子と小さい子がまざって出てきます。大きい子だけをタッチ。大小を見分ける力を使います。
出てきた子を指で少し長く押して「つかまえる」あそび。輪が満ちるまで押し続ける指先の力・持続を育てます。
1匹の子がマスからマスへ移っていきます。目で追いかけてタッチ。動くものを目で追う力(追視)のあそびです。
「さわらない」をえらぶ——抑制と実行機能
「これだけタッチ」モードでは、はじめにタッチする子(ターゲット)を音声と絵で伝えます。ほかの動物も一緒に出てきますが、それには手を出さず、決めた子が出たときだけタッチします。「出てきたら反射的にさわりたい」という気持ちをちょっとがまんして、ルールに合わせて動きを選ぶ——この「やってよいこと・いけないことを見分けて行動をコントロールする力」は抑制(インヒビション)と呼ばれ、集中する・順番を待つ・切りかえるといった実行機能の土台になると言われています。幼児期はこの力がちょうど育ち始める時期で、遊びの中で「今はさわらない」を経験することが役立つと考えられています。まちがえて別の子にさわっても、責めたり×を出したりはせず、やさしく揺れてお知らせするだけなので、安心して何度でも挑戦できます。
おうちの方の関わり方のコツ
反応あそびは、速さを競うことより「よく見てタッチできたね」を一緒に喜ぶことが大切だと言われています。とくに小さいお子さんは、出てくる場所を探すだけでも一生懸命です。横で「あ、こっちに出たよ!」「よく見てるね」と声をかけてあげると、どこを見ればよいかがつかみやすくなります。「これだけタッチ」でうまくいかないときは、まず「でてきたらタッチ」の一番やさしいモードに戻って、たっぷり成功体験を積んでからで大丈夫です。このツールは間違えても叱らず、最後は必ずクリアしてシールがもらえる作りなので、「できた!」という気持ちで遊びを終えられます。1回のあそびは10タッチと短めで、集中が切れる前に区切りがつきます。遊びすぎ防止のため、時間を決めて楽しむのもおすすめです。
年齢と「反応・抑制」の発達のめやす
| 年齢のめやす | 見られやすい様子 | おすすめのモード・遊び方 |
|---|---|---|
| 3歳ごろ | 出てきたものに気づいて手を伸ばせる。「がまん」はまだ難しく、つい全部さわりたくなる。 | ◎ むずかしさ「やさしい」+でてきたらタッチで、見つけてさわる楽しさから。 |
| 4歳ごろ | 「これだけ」という約束を少しの間なら守れる。うまくいくと得意げに。 | ◎ 「やさしい/ふつう」+これだけタッチで、決めた子だけをねらう練習に。 |
| 5〜6歳ごろ | ルールを覚えて集中を保ちやすい。速く出ても見分けてタッチできることが増える。 | ◎ 「むずかしい」+これだけタッチで、たくさんの中から見分ける力へ。 |
※ 発達には大きな個人差があります。表はあくまで一般的なめやすで、年齢どおりに進むことを求めるものではありません。お子さんのペースに合わせてお楽しみください。